マインドフルネスとは なぜ薬なしでうつが改善するのか
マインドフルネスとは呼吸や心の観察(気づき)を用いて否定的な心理パターンの繰り返しや感情のままに行動(暴発)したりするのを改善する心理療法です。
マインドフルネスが扱うのは心の領域なのでその対象はうつや不安障害、ひきこもりなどの改善から対人関係や仕事でのストレスの軽減にいたるまで幅が広いです。
マインドフルネスがなぜネガティブな思考や感情の改善に効くのかそのメカニズムについて簡単にご紹介します。
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「うつ病」は心理的な症状を起こす脳の病気と考えられています。
うつ状態の人は精神活動にかかわる海馬、前頭前野、帯状回などの脳機能が低下していることがわかっています。
そこで、脳機能を改善する薬に期待が寄せられるわけですが、現実には薬によって一時的に軽くなることがあっても、薬が切れるとまた再発することが多いという欠点があります。
また、薬の副作用でかえって苦しんでいるケースも多々起きています。
心理療法がどう影響するのか
うつ病の人はつらいことが起きると普通の人に比べてより強く否定的に捉えるという心理的パターンに陥っています。
例えばですが、体調が少し良くないとか、人から言われた些細な事に対して、
「いつまで続くんだろう」
「私はダメな人間なんだ」
といった具合に深刻に受け止めてしまいます。
そして、不安な感情から生理的(神経的)に身体症状をさらに悪化させたり、あるいは回りの人に対して暴力的になったり、物を壊したり、最悪の場合は自殺へと進んでしまいます。
そこでマインドフルネスは呼吸法をしながら心(思い、想念)の動きを見つめることで自分が起こしている「いつもの悪い心理パターン」を認識することを行っていきます。
悪いパターンを認識した後には、自分に起こっているでき事を避けられないものとして、事実は事実として受け入れていきます。
(こんな言い方をすると、何か禅のように思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、マインドフルネスは元々は仏教から来たものです。)
そして、受け入れができるようになると、嫌な事が起きたとしても、それに対して
これまでのような過剰な感情的反応が少なくなっていきます。
こうして、感情的反応が少なくなると身体症状の悪化や衝動的行動、逃避的行動も起こさないようになってくるのです。
うつの場合ですと、症状の度合いにもよりますが、マインドフルネスによって結果がでるには半年以上から1年くらい継続することが大切です。
(関連記事:軽症うつによる不眠を治す方法 15のコツと食事 )
一度、マインドフルネスによって改善すると再発することがほとんどないのがこの心理療法のすばらしいところです。
マインドフルネスはうつ以外にも、PSTD(心的外傷後ストレス障害)やパニック障害、自殺の改善にも使われています。
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やり方を学ぶには
マインドフルネスの主な方法は座って行う呼吸法と心の観察ですが、他にもヨーガ瞑想や歩行瞑想、ボディースキャンなどを組み合わせながら行います。
かかる時間は数分でできる短いものから数十分のものまであり、ご自分の生活状況や目的に応じて選ぶことができます。
具体的な方法についてはマインドフルネスについての本を参照にされるとよいでしょう。
下記の本は自分でも始められるのを前提にしてあるので、方法についてはけっこう詳細に書いてあります。
「マインドフルネスストレス低減法」 ジョン・カバット・ジョン
「マインドフルネス入門」 大田健次郎
この他にも多数の本があります。
また、各地でワークショップも開催されていますので、病的な症状の改善が目的の場合には指導者から直接、指導を受けられたほうがよいでしょう。
「マインドフルネス 地名」で検索すると出てきます。
ビジネスマンにも
現代のビジネスマンは常に忙しく、成果への要求、職場での人間関係、あるいは解雇されるかもしれないという強いプレッシャーにさらされています。
こうしたビジネスマンの心理状態を企業側も理解しており、ストレスを軽減して心を落ち着かせ、仕事に集中し、創造性を発揮し、職場の人との人間関係を円滑にしてもらうためにマインドフルネスを導入するところもあります。
すでにグーグルやインテルなどの大企業でも導入されていますが、こうした大企業が導入に踏み切れた背景にはマインドフルネスの効果が社会的に広く認められていることと、医療機関での実績、さらに科学的なデータがあるためと言われています。
(関連記事:瞑想の7大効果! 体験と科学で語るその魅力とは )
私自身はマインドフルネスとは違う瞑想を数十年行っていますが、心の落ち着き、雑念の減少、頭がスッキリするといったことを日々体験しています。
マインドフルネスであれ他の瞑想であれ、自分でできる心を静かにする方法を一度身につけるとそれはやめられないほど心地の良いものです。
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