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ボノボの平和的な性コミュニケーション チンパンジーとの違い

ボノボとチンパンジーは外見はほとんど同じですが、
性格においはボノボは平和的で、チンパンジーは好戦的と
その違いは著しいものがあります。

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性格の違いとコミュニケーション


チンパンジーの群れには腕力の優る雄のボスがいて
力によって群れを支配しています。


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(ボノボのほうが顔が少し黒いです)


仮にボスが年老いて力が弱くなると、若い雄が力で
その地位を奪うことになります。

また、他人ならぬ他チンパンジーの子供を殺したり、
レイプなどもあります。

他の群れとの「戦争」を起こすことがあり、
その時には強いチンパンジーが弱いチンパンジーを
殺すことがあります。

チンパンジーはとても暴力的で残忍な一面があります。


一方、ボノボは力ではなく、性でコミュニケーションを図って
相手との緊張を取り除き、喧嘩が起きないようにします。

また、仲良くしたり、挨拶するのにも性を巧みに使います。

その性の具体的な使い方とは以下のようなものになります。

・舌を絡めるキス
・性器の愛撫、
・雄どうしが性器をぶつけ合ったりお尻をこすり合う
・相手に乗るマウンティング
・雌どうしで性器(陰唇とクリトリス)をこする
・交尾


特に、雌どうしが抱き合って、互いの性器をこすり付けあう
コミュニケーションは独特で、「ホカホカ」と呼ばれます。

ボノボの雌の性器は人間や他の類人猿と比べると体の前方にあるため
抱き合って腰を振れば簡単にこすり合わせることができます。
ホカホカの最中は交尾の時に見せる歯をむき出しにした嬉しそうな表情を浮かべます。





また、相手の食べ物が欲しいときにはこのホカホカによって仲良くなり、
食べ物を分けてもらうこともあります。


我々人間も人の物が欲しい時にはなんとか仲良くなろうとはしますが、
さすがに同性どうしで性器を触れ合うことはしないですね。


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交尾の違い


チンパンジーは多くの動物がそうであるように、
繁殖だけの目的のために交尾をします。

発情した雌のチンパンジーが交尾できるのは月に3日~5日です。

ボノボの雌も発情期間は月に3日~5日ですが、
繁殖以外でも快楽のために20日ほどは交尾を行います。

さらにボノボは妊娠中や子育て期間にも交尾をします。

年中、異性を求めるところは人に優るとも劣らずですね。
また、人以外で正常位で性交ができる動物でもあります。


チンパンジーの雌は5~6年に一度だけ出産して、
妊娠や子育て中はほとんど交尾はしません。

そのため、チンパンジーの雄は交尾をするために
競争することになります。


進化の違い


250万年~100万年前ほど前にボノボとチンパンジーは
同じ祖先から分かれたと考えられています。

ボノボとチンパンジーは生息地域が非常に近く、
ボノボはアフリカのコンゴ川の左岸におり、
チンパンジーはコンゴ川の右岸に住んでいます。


ボノボの生息地域にはゴリラがいませんが、
チンパンジーとゴリラの生息地域は重なり、エサも競合します。

環境の違いが進化の過程で両者の性格に影響を与えたのかもしれません。


DNAで言えばボノボとチンパンジーの違いはわずか0.4%です。
この0.4%の中に平和的なボノボと好戦的なチンパンジーの違いが
あるのでしょうか。

ちなみに、人間とボノボのDNAの違いは1.3%です。




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