「食べない人たち」 不食でもプラーナで生きれるの?
ほとんど食べずに生きている3人の人の体験談を収めた本を読んでみました。
断食は健康や慢性病を治す一つの方法ですが、それには終わりがあります。しかし、この3人は長い断食をしているわけではありません。
ほとんど何も食べない「不食」をもう何年も続けて生きているのです。
栄養学の観点からみれば絶対にありえないことなのですが、現実としては起こっています。
いったいどうしてそんなことができるのでしょうか。
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食べない医学博士
3人の一人、秋山佳胤さん(1969年生まれ)は弁護士の仕事をしており、医学博士でもあります。
秋山さんは2006年からだんだん食べる量を減らし、2008年には完全な不食、それは食物だけでなく水さえも飲まなくなったそうです。
秋山さんが不食を始めたきっかけは、オーストラリアの不食実践家であるジャスムヒーンさんのワークショップからです。(ナチュラルスピリット社が主催していますので、興味のある方は同社のホームページをご覧ください。)
ジャスムヒーンさんのワークショップのチラシを見てなんとなく彼女に魅かれたそうです。
それまではいたって普通の食生活をされていましたが、独学で始めた気功のせいで冬でもTシャツ1枚で過ごせる人でした。その点は普通とちょっと違うようですね。
ジャスムヒーンさんによると空気中には目には見えない「プラーナ」と呼ばれるエネルギーがあり、それは食事をする我々も呼吸を通して摂っているわけですが、そのプラーナだけで生きれるようにするのが彼女のワークショップです。
秋山さんは5日間のワークショップの間は水だけで過ごし、終了後2~3日も何も食べなくても平気でした。
8日後にどうしても食事会に参加しないといけない事情があったので、そこではフレンチのフルコースを食べられました。
その後、2年間は1日1食にして、さらにそれよりも少ない生ジュースや生野菜だけに移行していきました。
2年後、再び、ジャスムヒーンさんのワークショップに参加された時、「プラーナの摂取率を自分の体にきいてみる」というのがあり、その時すでに秋山さんの体は100%プラーナで生きていました。
実はもうその何日も前から水を飲まなくても、のどが渇かないようになっていたそうです。
プラーナ100%で生きれるようになった時、秋山さんは「私は愛でいかされているんだ」と強く実感でき、それが何よりも嬉しかったそうです。
完全な不食になってからは疲れず、若い頃よりも体力が増し、睡眠時間は2時間程で済むそうです。
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不食を実践しやすくする方法
ジャスムヒーンさんは不食の段階を脳波別に4つに別けています。
① ベータ波の段階(常に飢えている) 心配、悩み、批判、競争の意識に覆われています。 人類のほとんどがこの意識段階です。 ② アルファ波の段階(ときどき飢えを感じる) アルファ波は瞑想中によく出ます。 心が落ち着いていて、心配や悩みを手放せるようになります。 この段階では少食に目覚め、1日1食を目指すようになります。 ③ シータ波の段階(ほとんど飢えを感じない) こころが平安で満たされ、愛と思いやりがいつも心を占めます。 ④ デルタ波の段階(決して飢えない) 完璧な愛と静寂の世界。 不食はシータ波とデルタ波との間をいったりきたりする。 |
確かに、心が穏やかな時はそんなに食べ物を求めないですね。
不食を実践しやすくなる8つのライフスタイル
① 瞑想 ② 祈り ③ マインドマスタリー 感情に支配されるのではなく、 感情を自分でコントロールすること。 ④ ライトダイエット 食事の量と質を軽くしていくこと ⑤ 運動 ⑥ 捧仕 ⑦ 自然の中で過ごす ⑧ 神聖な音楽、祈りの歌 |
食物から栄養を摂取するのでなく、空気中のプラーナから摂取すれば生きられると理屈を言われても、ほんとうにそんなことありえるの?という疑問はあると思います。
二人目の不食実践者である山田鷹夫さん曰く、「不食はただの慣れです」と。
断食は健康や治療という目的があり、数日か十数日たてば終わります。そこには我慢、忍耐がつきものです。
しかし、不食は体が慣れていくにともない、健康度が上がり、気持ち良くなりますから、続けていけるそうです。
もし、お腹がへれば食べればいいだけです(笑)断食みたいに途中で食べたらもともこもない、というものではありません。
山田さんは10年かけてゆっくりやればよいと言っています。
また、山田さんは不食には個人の意識を超えた集合的無意識が関係していると言います。
個人には表面的な意識と潜在意識がありますが、集合的無意識はそれを超える人類共通の意識とでもいうべきものです。
そこには当然、遺伝子の情報も含まれると考えられます。
不食になるには「食べないと生きていけない」という思い込み(個人の潜在意識)を変える必要がありますが、山田さんはそれだけではなく、人類の共通した意識を変える必要があるといいます。
ちょっとわかりにくい話かもしれませんが、私なりに例えを使って説明してみます。
例えばですが、100mを何秒で走れるかということにおいて、長い間、ある記録が抜かれることがないと、もうそれ以上、人は早く走れないと誰もが思ってしまいます。
しかし、だれか一人がその記録を抜くと、同時期に世界で2人、3人とその記録を更新する人が現れるのです。これは実際にあることです。
これまでの時代は不食で生きているという人は聖人だったり、超能力者だったり、きわめて稀というか特殊な人でした。
しかし、今はもうそういう時代ではないと山田さんは言うのです。
ジャスムヒーンさんによると1996年頃は不食実践者は世界で200名くらいだったようです。
しかし、2010年にはヨーロッパだけで不食実践者は4万人です。
今後は不食の人は私たちの回りにも普通に見える時代がくるのかもしれませんね。
*3人目の実践者森美智代さんは大阪の鍼灸師で著作「食べない生き方」(サンマーク出版)があります。
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「不食」もいいかもしれないけど、
「食」の愉しみは捨てがたい。
「食べなきゃいけない」という強迫観念から自由になることは大事だと思います。それに「食糧問題」の解決にもなるかな?