カパの乱れを整える 行動と食事
カパ体質は「安定性、穏やかさ」といった良い質があるのですが、不適切な行動や食事によってカパが乱れて(増えて)いくと心身に「重さ、粘り」といった質が現れてきます。
「重さ、粘り」が過度に溜まるとカパ特有の病気へと進行します。カパの悪化を未然に防ぐポイントは「刺激を与えること」です。
ではどのように刺激を与えるのかを今回は行動と食事の面からご紹介します。
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行動編
カパが増えるままにしておくと悪い意味での現状維持で停滞してしまいます。
カパの人は朝起きてもスムーズに行動に移るまでに時間がかかるので、朝シャワーで刺激を与えると心身がシャキッとしてよいでしょう。
この際、朝からゆっくりとお風呂に浸かるのはカパには良くありません。
髪を濡れたままにしておくとカパが増えていきますので、できるだけ早く乾かすようにしましょう。
朝食に砂糖入りのミルクを飲むと重くなるので、渋味、苦味のあるお茶(ただしカフェインの無い)のほうがよいでしょう。
コーヒーを飲んで眠気を覚ます方法もありますが、コーヒーは体を冷やし、カフェインは消化を乱しますのでアーユルヴェーダではお勧めしません。
カパは頭部に溜まりやすいのですが、朝、鼻うがい(塩水を鼻の片ほうの穴から入れて口から出すこと)の習慣を取り入れると鼻づまり、アレルギー性鼻炎、風邪などを予防することができます。
(関連記事:鼻炎・花粉症の改善法 記事一覧)
規則的に運動する習慣を取り入れて刺激することも有効です。
運動をするとすっきりと軽くなる感じがしますが、このような快適な感覚をいつも持てるといいですね。
新しいことをやってみることもカパの人には刺激になります。
ヴァータの人は放っておいても変化の中に身を投じますが、カパの人は新しいこと、普段と変わったことを意識して試みるとよいでしょう。
例えば、いつもと違う道を通って違う風景を見るのも良いですね。
気になるお店が目に映ったら、入ってみるのも良い刺激になるでしょう。
アーユルヴェーダの代表的な健康法のオイルマッサージですが、カパが溜まっている時(自分で心身に重たさを感じる時)は控えたほうがよいでしょう。
むしろ乾布摩擦をして刺激をすることがカパ向きの健康法です。生糸の手袋(ガルシャナ)が手に入ればさらによいでしょう。
心理面でのカパが増えると、人に会うのも嫌になるし、家の中で閉じこもり、ひどくすると鬱になりかねません。
カパの人は時として、「私はだれからも大切にされていない」と考えたりします。
そんなことはありません、ただ、カパが増えているだけです。
こんな時は家族や親しい友人にやさしくしてもらうことです。
やさしく愛情に満ち、穏やかな心であればカパがバランスのとれた状態だと言えるでしょう。
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食事編
生活習慣編ではカパを整えるポイントは「刺激」と述べましたが、食事でもポイントは同じです。
重くなるのを防ぐために、「温かく、軽い」というのがカパ体質にとっての基本です。
スパイスの多くは辛味を持ち、これもカパに良い刺激を与えます。
特に「生姜、黒コショウ、ターメリック(カレーの原料で黄色い色、ウコンとも呼ばれる)、シナモン」は良いです。
ヴァータは乾いた質なので潤いのあるもので補う必要がありますが、カパは油っぽい、粘っぽい質なので反対に乾燥したものが適切です。
カパにとって好ましい味は「辛味、苦味、渋味」です。(それ以外の「甘味、塩味、酸味」も毎回の食事に取り入れるべきですが、過度であってはいけません。)
野菜のもつ苦味や渋味はカパにとって良いですから、春の七草は季節の恵です。
サラダもとても良いです。
しかし、油性のドレッシングをたっぷりかけることは逆効果です。
調理もできるだけ少ない油を使うことです。
天ぷら、フライなど油をたくさん使った食事はカパを増長させるだけです。
カレーは一見、カパに良さそうですが、外食のカレーはけっこう油を使っていますので注意してください。
家庭用の市販のカレールーも牛脂等の油が入っていますので、これもカパを減らすことはないと思います。
カパが多い人は「蒸す」「網焼き」という油を使わない調理法を使うと良いでしょう。
カパの人が特に避けるべきものは「砂糖」の甘味です。お菓子、ケーキ、饅頭などは大敵です。
カパの人にとって唯一、良い甘味もあります。それは「生の蜂蜜」で、加熱処理をしていないものです(38℃までOK)。
生蜂蜜は白くて濁って見えるものが多いです。 透明でサラサラした蜂蜜はたいてい熱処理されています。
熱を加えた蜂蜜はアーユルヴェーダでは毒素とみなします。
市販の蜂蜜のほとんどは加熱処理したものなので、購入されるにはお取り寄せが必要でしょう。
アーユルヴェーダの本には書かれていませんが、個人的には「オリゴ糖、羅漢果、少量のメープルシロップ」は問題ないと思います。
ヴァータの食事編でも書きましたが、「白砂糖、三温糖」は極めて健康には良くありません。 血液を汚し、体を冷やします。
調理に砂糖を使う場合は精製度の少ない「てんさい糖」などが良いと思いますが、できれば使わずに「本みりん」で甘味を付けられることをお勧めします。
乳製品は全般的にカパを増やします。「牛乳、バター、ヨーグルト、チーズ」などがそうです。
カパが乱れている時には乳製品を強く欲しがりますので注意してください。
お白湯に少量のレモン、乾燥生姜を入れた飲み物はカパを減らすのに良いものです。
朝を重たく感じる時に飲むと軽快に一日のスタートを切れるでしょう。
心身が重いと感じる時はカパだけでなく、毒素(アーマ)が原因のこともあります。
どちらが原因かを区別するのは難しいですね。毒素を減らすことも同時に取り組むと良いでしょう。
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