山椒の効能 冷えた胃腸に温かさを取り戻すチョイ辛薬味
山椒と言えばうなぎを食べる時だけに使っている、
と思っている人が多いでしょうが、実は七味唐辛子にも入っているので
案外、知らないで食している日本人には馴染み深い薬味です。
この山椒は漢方薬の原料としても使われるほど薬効のあるスパイスで、
特に胃腸を温めることに高い効能があります。
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辛味成分の効能
山椒にはサンショオールという辛味成分があり、
これが鈍っていた代謝機能を活発にさせます。
サンショールは胃酸の分泌をよくするので、うなぎのような脂が
こってりした重たい料理の時には消化促進剤として使えますから、
普段から常備すると重宝する薬味です。
また、食欲が低下した時や冷たいものを飲み過ぎてお腹が冷えた時、
下痢をしている時など、胃腸に温かさを取り戻す必要がある場合にも役立ちます。
あるいは胃が痛い時や胃下垂にも効果が期待できます。
山椒にはサンショールの他に「ジテルペン」という香り成分がありますが、
これは免疫力を上げ、抗酸化作用を高める働きがあります。
もともと山椒のその名は山の香りある実で、胡椒のように辛いという
ところから名付けられたようです。
脳の覚醒効果
山椒の辛味成分は唐辛子の辛味成分であるカプサイシンよりは
刺激ははるかに少なく、約200分の1程度と言われます。
しかし、山椒と唐辛子を食べた後に脳波を測った実験によると
山椒のほうがより脳を覚醒させる効果が高いことが明らかになっています。
おもしろいことに食後よりも、食後20分を経過したころに
より脳を覚醒する効果が現れていました。
漢方薬の原料として
山椒は「大建中湯」や「当帰湯」という漢方薬の原料としても
使われています。
ちなみに、大建中湯は乾燥生姜などと共に、胃腸を元気にし、胃下垂、
下痢、腹部の膨張感、腹痛などの改善のために使われる薬です。
当帰湯は体を温め、痛みの緩和、冷えや腹部の膨張感の改善などに疲れます。
どちらも胃腸を温める山椒の働きを利用した漢方薬です。
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注意点
麻婆豆腐で有名な四川料理のお店では山椒の仲間である「花椒」で
辛味を出すためにかなりの量を熱した油に入れて使います。
そして辛味が移された油を料理にふりかける、
そんな映像をテレビの料理番組で何度も見たことがあります。
たまの外食に辛い四川料理を食べるのは問題ないでしょうが、
たくさんの山椒による辛味は時に舌に麻痺(しびれ)を起こさせる作用が
ありますので、人によっては注意が必要です。
また、あまり辛いものを頻繁に食べると今度は冷えの改善どころか
体に熱がたまり、炎症系の病気を生じかねません。
皮膚の湿疹や胃がキリキリしたりするなどの症状が出たときには
辛味の摂り過ぎであるという兆候ですから、すみやかに控えるようにしましょう。
雑学
山椒は英語では「Japanese pepper」になるようで
日本を代表するスパイスと言えます。
サンショールという辛味成分を見つけたのは日本人でした。
最近では外国人にも山椒の香りが好きだというファンが増えている
ようですが、実際、ヨーロッパの一流レストランでは山椒を
使うところが増えてきているようです。
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