シロダーラの効果 深いリラックスで不安や緊張を解放
アーユルヴェーダで最も有名なトリートメントといったらシロダーラですね。
額にオイルを垂らすだけの単純な方法ですが、心(神経系)に非常に深い安らぎを与えてくれます。
こんなことができるものはそうそうありません。
そのシロダーラのメカニズム、効果、体験についてご紹介します。
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シロダーラのメカニズム
そもそもシロダーラの「シロ」とは“頭”を意味し、「ダーラ」は“垂らす”を意味します。
シロダーラでは額の中央にある「マルマ」と呼ばれる体と意識をつなぐ結合点にオイルを垂らします。ここが最も重要なところです。
そして、額の中央のマルマを軸にオイルをゆっくりと垂らしていきます。
このマルマという結合点は中国で言うツボと似たもののように思われるかもしれませんが、まったく同じものではありません。ツボの源流という説もあります。
体には100を超えるマルマがあるとされますが、この額のマルマは人体の中でも最も重要な3つのマルマの一つです。
ちなみに、アーユルヴェーダにはマルマをやさしく指で撫でることによって体をケアするテクニックがあります。
話をシロダーラに戻しますが、使われるオイルは白ごま油が一般的ですが、暑い季節にはココナッツオイルが使われることもあります。
サロンによっては薬用オイルを混ぜて使うところもあるでしょう。
効果
アーユルヴェーダでは人体を3つの体質、ヴァータ、ピッタ、カパに分けますが、ヴァータ(動きを司る)が乱れると他の体質(ドーシャ)も乱されやすくなります。
そこで、日常ではオイルマッサージや食事や習慣によって、このヴァータを優先して整えることが健康を維持する上での一つのコツになります。
ヴァータはさらに5つの下部の体質(サブ・ドーシャ)に分けられます。
それは「プラーナ(上部)、ウダーナ(胸部)、サマーナ(胃腸)、アパーナ(下腹部)、ヴィヤーナ(全身)」とあるのですが、最初の「プラーナ」って何か聞いたことありませんか。
インドでは幅広い意味で使われますが、ここで言うプラーナとは身体の脳、頭、胸に位置して、五感とあらゆる動きと関係しています。
プラーナに関係する動きとは、「心の動き、思考や判断の動き、感情の動きや安定、陽気さ」などです。
仕事の忙しや成果へのプレッシャー、人間関係が上手くいかないといったことがあると、このプラーナが徐々に乱れ始めます。
心は過度に動きさまよって、「あ~したほうがいいかな、こ~したほうがいいかな、どっちにしようかな」といった思いが止まらなくなります。
不安や心配がつのり、悩みや恐れが生じます。 また、落ち着きの無さ、とどまることのない散漫な思考、眠れない、神経質、頭痛・偏頭痛、喘息といった症状が出てきます。
もっと酷くなると病的になって、不安神経症、過度の精神疲労、精神疾患、顔面の麻痺などになります。
しかし、シロダーラを受けることによってホルモン系が整い、神経系に深い休息が与えられると、プラーナの乱れが鎮静化し、不安や緊張が緩和され、心や思考が落ち着きを取り戻してきます。
私がアーユルヴェーダの施術をしていた時の話ですが、何年も不眠に苦しんだ方が1回のシロダーラで治ったことがありました。 その方はいろんな治療を受けられてきたそうですが、やっと治りましたと喜んでおられました。
(関連記事:不眠症 のアーユルヴェーダ流改善法)
上記のような例もありますが、通常、深い緊張がある場合には1回だけでは取れないこともあります。それはプラーナが乱れ過ぎているからです。
そのような場合には週末ごとに受けるか、また2、3日休暇をとって静かな場所で連続してシロダーラを受けるのもよいでしょう。
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体験談
シロダーラを受けた時の感想は人それぞれで、同じ人でも受ける度に体験が違うこともあります。
そのため、最初に受けた時の体験があまりにも素晴らしくて、それを期待して次も受けてみたら、「単に寝てるようなそうでないような、ぼんやりとした体験だった」ということもあります。
しかし、主観的な感じはともかく、ちゃんとプラーナは整ってきています。
よくある感想としては、
「深い眠りに入っていた」
「20分のシロダーラがとても長く感じた」
「時間の感覚がなかった」
「不安な思いがどこかに行ってしまった」
「何カ月も続いていたモヤモヤする思いが無くなった」
「目がパッチリしたような気がする」
などです。
シロダーラ中は眠ってしまうこともよくあります。
また、額に垂らしているオイルは額の中央のマルマを軸にして左右に動かしているのですが、 意識が普段より深いところに行っているせいで通常の感覚と異なってくるのか、ずっと額の中央にオイルを垂らされているように感じる人もいます。
そして、シロダーラの一番の魅力と言えば、体は深く休んでいるのに意識だけが目覚めていて、とっても静かで雑念もなく、意識がただ意識の存在を感じているとでも言いましょうか、深い瞑想状態の時のような体験をすることでしょう。
この静かな状態を体験したくてシロダーラを受けにこられる方も多いです。
こんなサロンでは受けたくない
今ではシロダーラ・マシンなるものがあり、機械で行うところもあるようです。
たいていのサロンはそんなことをせずに、自分の手でオイルを入れた鍋を動かします。
機械でも音がしないので問題ありません、などと言われるのですが、それとは別に機械には二つの欠点があります。
一つは施術者が受ける人(お客様)へ意識を向けることが大切だからです。 これも一つの治癒効果を生じます。
もう一つは、鍋の場合でしたら、一人のお客様のシロダーラが済んだら、鍋からオイルを取り除いてきれいに洗ってから、次の人用の新しいオイルを鍋に入れます。
この時、鍋で前の人と後の人のオイルが混じることはありません。
しかし、機械の場合には、完全な拭き取りができないため、前の人のオイルと後の人のオイルがわずかですが混ざってしまうのです。
機械で熱処理するから問題ないと言われるかもしれませんし、科学的にその問題を明らかにすることはできません。 しかし、アーユルヴェーダ的には間違いなのです。
前の人の体を振れたオイルに残ったその方独自の波動とでも言いますか、精妙な何かが残るのです。
決してオイルは他の人と混じるべきではありませんから、そんなことをやっているサロンでは受けないことをお勧めします。
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