ヴァータの乱れを整える食事と行動とは
ヴァータ体質は「明るさ、軽快さ」といった良い質があるのですが、不適切な行動や食事によってヴァータが乱れて(増えて)いくと心身に「不安定、冷え」といった質が現れてきます。
「不安定、冷え」が過度に増えていくとヴァータ特有の症状へと進行します。 ヴァータの悪化を未然に防ぐポイントなどを行動と食事面からご紹介します。
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行動編
ヴァータは風のように動き、軽い、乾き、冷えといった性質があります。 ヴァータが増えていくのはそうした質を増長させるような行動をとっているからと言えるでしょう。
例えば、仕事で出張の多い方は移動という「動き」が多いためにヴァータを増やし易い状況に置かれています。
そのため、動かずに休息を充分に取り、のんびりとリラックスすることがヴァータを下げるうえで効果的です。
音楽を聞く時はロックのような刺激的なものではなく、テンポがゆっくりとしたものが良いでしょう。
ハラハラドキドキする内容のアクション映画も本も良くありません。
娯楽やお笑い番組は気持ちを明るくさせ緊張を取り除くのでヴァータを下げるのに役に立てるでしょう。
しかし、あまり騒々しいものは避けるべきです。
また、ヴァータはエネルギーを消耗しやすいので、そういう意味でも休息によって疲れを取り除き、睡眠を充分にとることです。
栄養を取ってエネルギーを補給することも大切ですから、疲れた時にはこのサプリメントを取ると疲労が回復する、といった自分なりのアイテムを持っておくのも良いでしょう。
ヴァータは寒さに弱く、乾燥しやすいので、これとは反対の温かく潤いのあるものを与えるとよいでしょう。
そういう意味でお風呂に浸かることはヴァータを下げるのにいい方法です。
少しぬるめの快適な温度でゆったりとくつろいでください。 温泉もいいですね。
オイルマッサージも同様に体を温め、潤いを与える効果があります。
人間関係で気を使い過ぎることによる疲れや仕事でプレッシャーがかかった場合、また、やるべき事を決められずにいろんな選択肢に悩んでいる時などには、たいてい頭部のヴァータが乱れています。
こういう時には頭部のオイルマッサージが特に効果的です。
(関連記事:オイルマッサージの方法 )
出張や旅行の際には小さなボトルに白ごま油を入れて携帯し、宿泊先で額、耳、顔などの部分オイルマッサージを行うとヴァータの乱れを未然に防げるでしょう。
(関連記事:プチ・オイルマッサージ)
気分を良くするためや緊張を解くためにお酒を飲むことは返って心身から安定性を弱め、肝臓への負担から疲労回復は遅れ、ヴァータを一層乱すことになります。
コーヒーに含まれるカフェインは心身に活動性を増し、深い眠りを妨げ、ヴァータには良くありません。
カフェインのない穀物コーヒーで代用されるのがいいでしょう。
再度、ヴァータを下げるポイントをまとめますと、「温かさ、潤い、疲労回復」です。 これは次に述べる食事面でも同じことです。
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食事編
ヴァータの人にとってはパンなどの乾燥したものは適したものとは言えません。 ですから、食べる際にはバターを塗ったり、スープなどと一緒にとるようにして潤いを補ってあげましょう。
水分だけでなく、適度な油を調理に使うことも潤いを与えるのでヴァータには大切です。
生のものを多食することはヴァータには良くありません。
酵素を多く取る目的でサラダをたくさん食べる方がいますが、体を冷やしますので、少量にとどめ、油性のドレッシングをかけるようにするとよいでしょう。
基本的には火を通した野菜がヴァータには良いです。
果物は体を冷やすものが多いので夏場以外にたくさん食べたり、夜に食べたりするのは控えましょう。
冬に出回るリンゴや西洋なしはヴァータには良くないので、熱を入れるなどして食べるのがよいです。 甘くて体を温めるシナモンを振りかけたりして。
小さく切って軽く炒めるとよいでしょう。油をひかなくても炒められます。
熟していない果物は渋味がありヴァータには良くありませんし、乾燥させた果物のチップスも良くありません。
ヴァータにとって良い「味」というものがあります。それは、「甘味、酸味、塩味」です。
ただし、それ以外の「渋味、苦味、辛味」をまったく取ってはいけないということではなく、むしろ毎回の食事に6つの味を取り入れることをアーユルヴェーダは勧めています。
ヴァータ向けの味を知り、時に応じてそれを多めに使うことでヴァータのバランスを調整することが賢い用い方です。
ヴァータに好ましい甘味とは食物の持つ自然な甘みのことです。
余談ですが、アーユルヴェーダの聖典が編纂された時代には無かった、現在の精製度の行き過ぎた「白砂糖」は有害物質だと私は思っています。
塩にも同じことが言えます。
どのスーパーでも売られている「塩化ナトリウム」(財団法人塩事業センターの製造)は科学的に合成された塩味で自然塩ではありません。人に必要なミネラルが含まれていません。
アーユルヴェーダでは岩塩を勧めています。
乳製品は全般的にヴァータに良い食品です。
ただ、スーパーで売られている大量生産された牛乳、ヨーグルト、チーズで栄養があるものは皆無に近いと思います。
ご自分で品質を吟味して購入されることをお勧めします。
ヴァータと冬
冬は年間で最もヴァータが乱れやすい季節です。寒い所や空気が乾燥している所に長くいるとヴァータが増えていきます。
また、同じように冷たい物や乾燥した物を食べることでもヴァータは増えていきます。
「干物、乾物」などの乾燥した食材を冬に食べるのも控えめにしないといけませんね。
乾燥して軽い食べ物といったら「お煎餅」もそうですね。 おやつに煎餅ばっかり食べていたらその内ヴァータが増えていきますよ。
しかも煎餅を食べながら濃い緑茶を飲むとさらによくないですね。 緑茶の渋みはヴァータを増やしますから。
こういう時は良質のホットミルクなどの温かくて自然な甘味のものが良いでしょう。
ヴァータを増やさないための食事は、温かくて、重くて、水分と適度に油があり、甘味、塩味、酸味のあるものです。
(*重いものと言っても自分で消化できる量に留めておきましょう。 消化できなければ返って悪いです。 重い食材の例としてはパスタ、玄米、ナッツ類(ナッツは少しオイルを含んでいる)など。
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